きっと、明日も君がすき。
「どうせならイケメンな先生がいるとこがいいなぁー。それか男子校。どっかないかな」
スマホを触りだしたキコに笑う。
この調子だと締め切りギリギリまで悩みそう。
実習先…ねぇー…。
自分が今進んでいるこの道の、きっかけとなった恩師である高校の先生がいる、というのも即座に実習先を決めた一つだったけど。
――ただ、実習先を決めなければいけないことを知った時に、純粋に。
もう一度、戻ってみたいと思ったのだ。
忘れもしない、
嬉しくて笑って
不明瞭な自分の気持ちに、怒って
ちょっとした言葉に泣いて
何気ない日常を楽しんで
今でも鮮明に覚えているあの3年間を過ごした場所へ。
もう一度、行きたいと。
そこで、今この心の底の方でじわじわと溜まっている、この気持ちをリセットしたいと。
「終わったらお疲れさま会と合コンしようね!?それご褒美に頑張るから!今年こそ彼氏!」
「早く実習先決めなよ……」
本当に実習先が決まらず留年になりそうで不安。
まだ始まってすら、キコに至っては行き先すら決まっていないのに。
もう終わった後のことを考えているその能天気さに笑いながら
窓の外をふと見れば
雪が降り出していた。
出かけるときに見た天気予報ではたしか、
昼から雪だと言っていたっけ。