あえか
月の夜
繁華街のネオンのせいで星は全く見えない。それでも月は冷たく凛としている。
みどりは勤めているスナックのカウンターで既に酔っている白髪頭を相手していた。
「いらっしゃいませ!」
年下のホステス、アユの明るく元気な声が店中に響く。すると、ずるずると数名の若い連中が現れて一番奥のボックス席に座った。
みどりは内心でアユが羨ましかった。こっちは酔って呂律が回らない老人を相手しているのにそっちは楽しく、しかも若い連中と話せるからだ。
しばらく、白髪頭と話していたみどりだったが、彼が帰ると言い出したのでママの千鶴に会計をしてもらった。
ようやく、みどりはアユがいるボックス席につくことが出来た。
隣にはがたいの良いジャージ姿の男が丁度、焼酎を飲むところであった。
みどりはとりあえず、そのジャージ姿をアユに任せて連れの相手を始めた。
すると、連れの一人がみどりに向かって言う。
「こいつさ、悠輔っていうんだけど構ってやってくれ!」
「えっ?」
みどりは悠輔と呼ばれたジャージ姿の方に体を向けた。彼の顔はがたいに比べるとあどけなさが残る顔であった。
みどりは勤めているスナックのカウンターで既に酔っている白髪頭を相手していた。
「いらっしゃいませ!」
年下のホステス、アユの明るく元気な声が店中に響く。すると、ずるずると数名の若い連中が現れて一番奥のボックス席に座った。
みどりは内心でアユが羨ましかった。こっちは酔って呂律が回らない老人を相手しているのにそっちは楽しく、しかも若い連中と話せるからだ。
しばらく、白髪頭と話していたみどりだったが、彼が帰ると言い出したのでママの千鶴に会計をしてもらった。
ようやく、みどりはアユがいるボックス席につくことが出来た。
隣にはがたいの良いジャージ姿の男が丁度、焼酎を飲むところであった。
みどりはとりあえず、そのジャージ姿をアユに任せて連れの相手を始めた。
すると、連れの一人がみどりに向かって言う。
「こいつさ、悠輔っていうんだけど構ってやってくれ!」
「えっ?」
みどりは悠輔と呼ばれたジャージ姿の方に体を向けた。彼の顔はがたいに比べるとあどけなさが残る顔であった。