黒と白
立石グループ。


父はそこの社長。
飲食店などを何店舗も経営する父はこの辺りでは結構な有名人だった。


立石 杏樹。それがわたしの名前で立石グループの一応令嬢にあたる。


立石 大輝はわたしの兄で、下にもう1人兄がいたのだが、幼い頃病気でなくなっている。

大ちゃんは父の会社で働き、今時珍しい政略結婚をしていて、美雨さんという奥さんと最近生まれた莉央という子供がいる。




そして
わたしを産んだ母はもういない。
病気がちだった母が亡くなったのはわたしが高校生の頃で
待ってました、と言わんばかりに数ヶ月後に父が再婚をした女はわたしと10も歳の離れていない、綺麗な女性だった。


父はわたしにお金を与える。
それに対して罪悪感はない。


だって自分だって若い女を家に連れこみ、わたしたちの有無さえ聞かずに自由にさせているんだから同じではないか。
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