黒と白
大学には殆ど行っていない。

父は月に一度数百万単位の現金をわたし名義の通帳にいれる。
時折、実家に戻り直接現金でお金を貰う。

手渡された紙袋の中には帯のついた札束がふたつ入っていた。


紙袋を無造作に鞄の中にしまうと
丁度スマホがメールの受信の音を鳴らす。


「何時くらいになる?(^_^」


車の行き交う交差点をぐるりと一周見回して、メールの返信のボタンを押す。


「用を足していくから
30分後くらいかな?」


すぐに返信はきた。


「俺もちょっとコンビニ寄っていく!
タバコ欲しいし。
用事終わったら連絡してな」


スマホを鞄の中にしまい
わたしはとある雑居ビルを目指して歩いた。
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