【短編】その瞳に映るもの【完結】






「 ......そっか、 」




俯いていた彼は、顔を上げた。



その顔にいつも周りに振りまいている優しい笑顔なんてなくて。



彼は首に手をやりながら、辛そうに笑った。




「 でも先輩、あたし先輩なら好きになれる自信、あります 」




その表情が、いつかのあの人に似ていたから。



手放したくないと、そう思ってしまった。






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