【短編】その瞳に映るもの【完結】
「 裏門で待ち合わせって言おう 」
「 なんで裏門? 」
「 先輩のファンに見つかったら困るじゃん 」
スマホを見つめながら、そう言った。
彼はさっきもいったように、模範少年だ。
しかもイケメンとなれば、ファンクラブくらいあるだろう。
あの肉食系女子たちに見つかったときのことを想像したら、身震いが起きた。
「 じゃあ、行くね。一人で大丈夫? 」
「 うん。由紀も、もうすぐくるし 」
そっかと返して、教室を立ち去ろうとした。