絶対やせて貰います。
「あぁーそっちね。こいが小岩井旭(こいわいあさひ)に食付いた……」
「……カンナちゃん何言ってんの?」
「はぁ?……小岩井旭ってあのサッカー部の小岩井?」
驚いた飛鳥ちゃんが素っ頓狂な声を上げる。
「あぁー違った『同じ人間とは思えなくて……』だった……」
何がそんなに楽しんだか。
ニタニタと含み笑いを続けるカンナちゃん
絶対ワザと飛鳥ちゃんに勘違いさせたよね?
若干顔を引き攣らせながらも彼の名前を知ることができた私は満足していた。
このままだとずっと冷やかされ続ける恐れを感じた私は、
「遅くなると夕食の準備に間に合わないから早く帰ろう……」
二人を急き立て美術室を後にした。