絶対やせて貰います。

「ねぇー何かあったの?変な叫び声が聞こえたけど……」

『不機嫌な声と共に現れたのは3つ下の妹さんかな?

初っ端から失敗した。

私ってば心象が悪いよね?はぁー落ち込むー』

「大きな声出してごめんなさい。

旭君の高校の同級生で錦野鯉子です」

ペコリと頭を下げて謝り自己紹介するも妹さんは無表情のままだった。

居た堪れない場にどうしたものかと思案するけど、正直どうしたらいいのかさっぱり分からない。

そんな私に大らかそうな旭君のお母さんが話しかけてくれた。

「錦野さんは小さくて可愛い子ねぇー私の手のひらに乗っちゃいそう……ふふっ」

私を手のひらサイズと表現した小岩井母は確かに私を手のひらに乗せてしまいそうな程に大きな体だ。

『有名なあの人に少し似ている。

でも似てると言われて嬉しいと思う筈もないし……』

「もしかして……彼女に似てるって思った?

良く言われるのよ。

自分でも似てるって思うから”マリア・デラックス”って名乗ってる」

『小岩井母は読心術が使えるの?』

そう表情に現れていたのかも知れないけど……

「あはは……やっぱり似てる?」

お母さんは楽しそうに笑っているからいいのかな?

「旭君のお母さんもマリアさんって言うんですね、うちの母の名前と同じです」

取り敢えず、デラックスさん似の件はスルーさせて貰った。


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