絶対やせて貰います。

取らぬ狸の皮算用的なオメデタイ思考が一年後へとさすらっていた為に皆に怪訝な表情で見られていたのにも気が付かなかった。

旭君、虫の居所でも悪いのかな?

不機嫌そうな表情を浮かべた彼の顔を見たのは初めてだなと妙に新鮮な気持ちで眺めていた。

「旭君おかえりなさい」笑顔で声を掛けたのに

「あぁーこんばんは」

何とも素っ気ない返事が返ってきた。

これは早く退散するに限ると思った私は夕食のお誘いを断る事にした。

「マリアさん折角ですが今日はもう帰ります」

「旭君、ひかるちゃんまたね」

バックを手に取り立ち上がったら

「車で送って行く」旭君が先に玄関に向かってしまう。

「旭君そんなに遅い時間じゃないし一人で帰れるから大丈夫だよ」

親切に言ってくれたのは分かっていても、不機嫌な旭君と二人っきりで車に乗り込むのはとても気づまりで正直遠慮したい。

もっともな理由を考えていたら大事な事を思い出した。

「旭君、夕食まだでしょ?」

「それがどうかした?」

疑問形に疑問形で返答する旭君……ホント怖いからやめて欲しい。

「あのね、夕食は出来るだけ8時までには済ませて欲しいの

だから直ぐに三人で食事してください」

「・・・」

おいおい今度はダンマリですかい?




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