絶対やせて貰います。

二人して我が家まで約2kmの距離を流れるような会話をしながら歩いているこの感じが何とも不思議でならない。

同じシュチュエーションを頭の中で高3当時の二人に置き換えてみよう。

高校生の私たちが並んで歩く姿を只今妄想中!

無いな……

会話も続かず10mイヤイヤ5mでギブアップ!

なんの罰ゲームですか?

それにしても、失恋した事もあって弱いのにお酒も入っていたあの日の私。

高校卒業の日に心に誓った言葉やカンナちゃんの後押しで、再会したその日のうちに押しかけダイエット指南役に名乗り出た事を旭君はホントのところどう思っているんだろう。

旭君もお酒の勢いで引き受けて『やっちまったー』とか思ってないのかな?

正直なところ凄く気になって頭を離れてくれないから困ってしまう。

「あのー旭君……ホントのところダイエット面倒臭いなって思ってない?」

「こいちゃん突然どうしたの?」

驚いた表情で私の顔をジッと見つめられては”ボン”と頭が沸いしまう。

えっーと何が言いたいんだっけかな?

直ぐに言葉が継げなくて取り敢えずジッと見られる事に耐えられなくて視線を外した方向に一度しかお会いしてないから確証はないけど小岩井父の姿を捉えていた。

あれ?でもホントに旭君のお父さんかな?

毎日残業で遅いってマリアさんが言ってたのに……

小岩井家から10分ほどの場所にある小料理屋に入って行く小岩井父らしい人とお腹の大きな女の人。

そこは前から気になっていて一度は入ってみたいなと思っていたお店だった。

住宅を改装して店舗にしたらしいその隠れ家的な雰囲気が入ってみたいけど……

値段が高いのかな?

大人の隠れ家に入るのにはまだまだ若輩過ぎるかな?

そんな思いからカンナちゃんたちにもまだこの気になるお店の話をした事は無かった。


< 139 / 305 >

この作品をシェア

pagetop