絶対やせて貰います。
「えっーと話が長くなったけど……
要はこいちゃんの申し出は有り難いだけって事が言いたかったんだ……」
「ホントに?」
「ホントもホント……マジで感謝してる」
重くなった雰囲気を吹き飛ばすかのようにニッコリと人好きのする笑顔を私に向けながら話してくれる旭君
「母さん料理上手だし、俺も食べるのは大好きなんだけど……
やっぱり無理して食事するのは色んな意味で辛かったから……
こいちゃんのお蔭で母さんも一緒にダイエット始めたら自然に作る量まで減ったしね
そして何より嬉しかったのは母さんの笑顔が戻った事なんだ」
「えっ……そうなの……」
マリアさんは出会った日も私に明るく接してくれたから旭君の言葉に驚きを隠せなかった。
でも旭君のお父さんから『もう夕食は済んだからいらない』って言われた時に見せた憂いを帯びた表情のマリアさんを思い出して、あぁーそうなのかなって妙に納得してしまった。
「でも何も解決はして無かったんだって事が……分かった」
たぶん、お父さんと一緒に居た女の人を想いながら漸く口に出来た言葉なのかも知れない。
「父さんを追って行って問い詰める勇気もなくてさ……
ホント情けないよなぁー」