絶対やせて貰います。
小岩井家に通い出してから数週間後の金曜日。
今日も夕食の準備を手伝い、一緒に食事をしたり、明日一週間分の食材を買いに行くため
皆の意見を取り入れつつ献立作り、楽しく会話をしていたら”あっという間に”
時間が過ぎていたらしく、帰りの時間がいつもより遅くなってしまった。
「どうせ明日の午前中にうちに来る予定だったんだし、今日も泊まればいいじゃない」
マリアさんは泊まるように言ってくれたれど、家を空ける事が多くなっているから今日できる事は家に帰ってやっておきたかった。
「ありがとうございます。家でやる事があるので、今日は帰りますね
旭君お願いします」
「うん、今日も歩きでいいかな?」
「はい」
小岩井家から自宅まで旭君に送って貰うのも特別な事ではなくなってきたせいか?
私から素直にお願いしますと言えるようにもなった。
歩きで送って貰う間に交わす他愛ない会話が今では私の一番楽しみな時間になっている。
ダイエットのこと、大学でのこと、友達のこと、家族のこと、将来のこと……
どんな話でも旭君の考えている事や興味のある話を聞くのは楽しかったから
少しずつお互いを知って親しくなっているように感じられるから嬉しいんだよね
でもそう思っているのは私だけかも知れないけど……
小岩井家を出てから約10分後……
旭君のお父さんを見掛けたのはこの辺りだったなと例のお店が近付くと急に会話が止まるのも日常になりつつある。
旭君が話してくれたところによるとお父さんとはすれ違いばかりで会話どころか挨拶すら交わしていないと嘆いていた。