絶対やせて貰います。
小岩井家の座敷わらし
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「こ~い。小岩井のダイエットは順調なの?」
「あっ……ううん」
怒涛の週末を体験した私は何とも表現し難い微妙な表情を浮かべていたのか……
「なに?その歯切れの悪い返事は何かあった?」
カンナちゃんは容赦なく突っ込んでくる。
どうせ誤魔化しきれないと覚悟を決めて私は話せる範囲で週末に起こった内容を報告する事にした。
旭君に送って貰っている途中に小岩井父とお腹の大きな女性が一緒に居るところを二度も見掛け、意味深な二人の会話から小岩井父の浮気を疑ったこと。
そんな場面を旭君のお母さんが偶然見てしまい、その場から立ち去ったお母さんを旭君が慌てて後を追ったこと。
お腹の大きな女性の正体は、お父さんの幼馴染の奥さまだったこと。
小岩井父の秘密それは……
因縁のある上司に太っていることを理由にリストラの対象にすると言われ、家族には内緒で半年前からダイエットをしていたこと。
幼馴染の家で食事をさせて貰う代わりにお店の掃除や片付けを出勤前の早朝や終業時間後に手伝っていたこと。
これらが金曜の深夜に繰り広げられたドラマのストーリー。
「私ね。初めて旭君のお父さんと会った時、凄く顔色が悪くて心配だったの……
今回の事で理由が分かったから良かったけど、仕事だって忙しいのに友達の店の手伝いまでしてたらそりゃー疲れも溜まるよね?
しかも家族に内緒でダイエットしてる事が心苦しかったから
家族を避ける様な生活をしてたらしくて……
それが一番辛かったみたい」
「何で家族に話して協力して貰わなかったのかな?」
カンナちゃんの疑問は凄く真っ当だ……
私だってそう思ったもの