絶対やせて貰います。
「それだとあまりこちらには伺えなくなりますけど……」
「それは大丈夫よ。琴音さんがこいちゃんの代わりに来てくれるから、こいちゃんにはお店の方に行って貰えないかしら」
確かに自宅でゆっくり料理指導するのと、店内で立ったり屈んだりしながら給仕をするのとはキツさが違うかも知れないなぁー8カ月の大きなお腹では大変だよね。
「分かりました。お役に立てるのなら……」
「バイトの帰りはちゃんと旭に送らせるから心配しないで……
旭が都合悪い日は秋緒さんでも私でもちゃんと送るから」
マリアさんは曇りのないスッキリと晴れやかな表情でバイト終わりの事まで心配してくれる。
「それは弟か父にでも頼んでみるのでご心配なく……」
「あらダメよ。
秋緒さんの代わりにバイトして貰うんだから、うちが送っていかなきゃ……」
マリアさんはさも当然の事と引き下がってくれないので困ってしまう。
「分かりました。
よろしくお願いします。
でも都合が悪い時は家の方に連絡しますね」
そんなやり取りであって私が小岩井家にお邪魔するのは買い出しの日だけになってしまったけれど、旭君がバイトの帰りに和田さんのお店に迎えに来てくれる。
帰り道の約30分はとても短い時間だったけど……
ほぼ毎日旭君の顔を見て会話をする事が出来たから、ダイエットの効果が出ているのを実感しながら日々を過ごしていた。