絶対やせて貰います。
旭君にダイエット終了宣言をするのは今しかないと心を決める。
「私もそう思います」
「えっ……こいちゃん?」
私と彼女の話を黙って聞いていた旭君が私の言葉に驚いた声を上げるけど私は構わず言葉を続ける事にした。
「旭君……
一年間付き合ってくれてありがとう
今日でダイエットは終了です。
今後は体型を維持に努めて今の習慣を続けてね」
寂しさで歪みそうになる顔を出来る限りの微笑みで
明るく宣言をしたつもりだった。
こんな形でダイエットの終了を伝える事になるとは考えてもいなかった……
『小岩井家に行く最後の日のなる』
この駅に降りた時点ではそんな事は少し思っても居なかった。
「バイト……帰りはどうするの?」
こんな時でも優しい旭君はバイト終わりの心配までしてくれる。
でも今は……
その優しい言葉も痛みが増すだけで一刻も早くこの場から立ち去りたかった。
「ことちゃ……弟に迎えに来て貰うかタクシーで帰るから心配しないで
マリアさんが待ってるからもう行くね」
まだ何か言いたそうにしている旭君。
視線を外してながら二人に向かってちょこんと頭を下げ、急ぎ足で小岩井家に向かって歩き出す。
『こんな日が来ることは覚悟していたでしょ?』
心にそう言い聞かせながら……