絶対やせて貰います。
居酒屋で再会した時は別人みたいに変わった姿を見て
声を上げる程に驚きはしたけれど近寄り難い位のオーラが薄れたからこそ
緊張する事無く普通に会話をすることが可能になり、
ダイエット指南役にも名乗りを上げる事が出来たんだと思っている。
この一年間に何度も一緒の時間を過ごして行く中で
虚像では無い等身大の『小岩井旭』という人を好きになったのは、
自然の成り行きだったと思う。
でもそれは『好き』って思いに気が付いた時点で
『失恋』するのが決定事項なのも……
『彼女は同級生』『彼女は友達』
そう繰り返し、繰り返し聞いていたら嫌でも分かる事柄だった。
だからこそ敢えて思いに蓋をして気付かない振りをして居たかったんだ。
それでもマリアさんに嘘は吐きたくなくて、
私が選んだ言葉は……
「私は……旭君には釣り合いません」という言葉だった。