絶対やせて貰います。

「そうですか。

……もしかして弁当箱にお菓子入れて下さったのも堺さん?」

洗って返してくれた弁当箱の中にお土産のお菓子や可愛いチョコとかが入っていたのを思い出して聞いてみた。

「うん。正解だよ ホント鯉子ちゃんの弁当上手かったなぁー

『娘がヘルシー弁当作ってくれるようになったんだよ。

悪いな堺』って言いながら、めちゃめちゃ嬉しそうな顔して

錦野部長弁当交換してくれなくなってね。

……本当に落ち込んだ」

思い出したようにガックリと項垂れるイケメン堺さん。

「それは私がダイエットを始めたからなので……

ごめんなさい。

お礼が遅くなりましたが……

いつもお菓子をありがとうございました」

顔も見たことが無かった父の部下はとても気さくなイケメンさん。

さりげなく入れてくれた可愛らしいお菓子のお礼も言う事が出来て良かったなと、偶然の出会いに感謝した。

「なに、なに二人は知り合いなの?」

皆さんが興味深げに私と堺さんのやり取りを眺めている。

でも堺さんと会うのも話をするのも今日が初めて……

私は此処だけに留まっている訳にはいかないから

説明は堺さんに”おまかせ”する事にして、また使い終えた食器をせっせと集める。

それから「ごゆっくり、おくつろぎください」そう声を掛けてから洗い場に向かった。


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