絶対やせて貰います。
本来ならお祝いの席であれだけの失態をしてしまったら、翌日には電話かメールなりで皆にお詫びをしなくてはいけなかったのに……
文章を打ち込むために一点を集中して見ようと思うだけで気分が悪くなるのでそれは早々に諦めて翌々日の昼間にお詫びメールをあの日のメンバーへ一斉送信した後、携帯の電源を切ってしまい今に至っている。
イヤな現実から逃げている今の私は卑怯で卑屈で最悪だ。
だからこんな自分を誰にも見せたくなくて……自宅に引き籠っている。
両親は心配そうな表情を浮かべるけど今は何も訊かずに、私のことをそっと見守ってくれている。
ことちゃんも同じだ。
だから私は皆に甘えて、負のループから脱出する努力を放棄したまま楽な方に流され続けている。
『今日は何を作ろうかな?』呑気に料理しようと考えていたら……
その甘えをぶった切るべく現れた、あの人たちの訪問を知らせるドアチャイムの音が鳴り響く。
「お待ちください」
声を掛けドアを開けると凄い勢いでドカドカと家の中に上がり込む侵入者は……
「カンナちゃんと飛鳥ちゃん」
二人の表情を目にして体が凍り付く。
二人とも……もの凄く怒っている。