絶対やせて貰います。

「カンナちゃん。飛鳥ちゃん。ありがとー私、旭君にちゃんと好きって言う。

私のこと『友達としか思えない』そう言われるかも知れないけど……

その時はちゃんと友達として付き合えるように努力もする。

それからまたダイエットも一から始める。私、頑張るからね」

二人に宣言したことで、どこか気持ちが吹っ切れていた。

この時を待っていたかのように、カンナちゃんは畳み掛けるように私を促す。

「そうと決まれば行動は早いに越したことはないね。丁度美味しい手土産も焼き上がっているみたいだし……私が小岩井の家まで送って行くからこいは早く準備して。飛鳥はどうする?」

「私はじゅー君が帰って来るのここで待ってる」

待て待て待て……二人して何決定事項のようになってるの?

幾らなんでも今すぐ告白とかあり得ないから……

「あの、一週間で付いてしまった脂肪を落とすまでの猶予をください」

振られるにしてもせめて一週間前の姿には戻したい乙女心を分かって貰うべく恐る恐る懇願してみる。

それなのに……

先程までの素敵な笑顔は何処へ行ったの二人とも?

顔が怖すぎて美人が台無しです。

「はぁ?待てる訳ないでしょ。グズグズ言わずに早く支度しな」

鬼の形相をした二人に促され、身支度もそこそこに家から放り出される私だった。



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