絶対やせて貰います。
「ブッーーーー」笑いを抑え込むのに失敗した変な音が聞こえて視線を向けると飛鳥ちゃんが口を押えながら控室に入って来るところだった。
「ふふっ……こーい。カワイイーー」
飛鳥ちゃんが本心から言ってくれているのは分かるのに飛鳥ちゃんを目の前にすると羨望のあまりに泣きたくなってくる。
身頃が総レースになっている細身でクラシカルなウエディングドレスを身に付けた飛鳥ちゃんは、ため息で出るくらいに素敵な花嫁姿だったから。
ヘアスタイルも昔の映画で見たジュリエットのようにセンター分けのクラシカルな感じに仕上がっている。
落ち込んでいる私に飛鳥ちゃんは……
「こい。私が可愛い物好きって知ってるよね?」
「うん」それはよく分かっている。
「私ね……こーんなに大きくなんて、ホントはなりたく無かった」飛鳥ちゃんはおどけて背伸びして更に背の高さ強調しながら私に言う。
「でも大きくなってしまったからには仕方ないじゃない?」と同意を求められると「うん」と頷く他ない。
「こいに私のドレスは似合わない。私にこいのドレスも似合わない。お互いに似合うドレスで我慢するしかない……そーよね?カンナ……」
いつの間にか花嫁控え室にもう一人の花嫁が姿を現す。