絶対やせて貰います。

中学3年なった私たち。

私と遼は別々の学校に通っていてもお互いの家を行き来するし、勉強も遊びも
一緒……男女を超えての親友だった。

遼の家に二人で向っている時に「あぁー」とか「えぇー」とか言って頭をポリポリ掻いて、焦っているおじさんを見掛けて立ち止まる。

どうも外国人に話しかけられて困っている様子、それを見た遼は先ずおじさんに声をかけた。

「おじさんどうしたの?」

「この外国人の兄ちゃんが行きたい所を教えてやりたいけど……おじさん英語が話せなくてね」

道案内してあげたいけど英語が話せないってことらしい。

「それじゃー俺が通訳するから教えて」そう言って遼はおじさんの通訳を買って出た。

バックパッカーのお兄さんは遼の説明に納得がいったようで、おじさんと遼に日本式の挨拶……

深々とお辞儀をして笑顔で立ち去って行った。




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