絶対やせて貰います。

一生の運を使い果たす?


教室の窓際最前列が私の座席

そこからぽけーと外を眺めながら一人ぽそりと呟く。

「あぁーお腹すいた~~~」

カンナちゃんの指導通りにダイエットを始めて、漸く3週間が過ぎたところ……

1週間目はやる気スイッチがON状態で脳が空腹中枢を麻痺させていただけなのか?

食べる量を減らしたのにも関わらずそんなに空腹感を感じなくて

「これは簡単に体重減るかも?」

それこそ減量を甘く見ていた2週間前の私。

初めから長期戦で臨む『ダイエット作戦』は目に見える効果が出にくい為
モチベーションを保つのに苦労しそうな予感で一杯な今日この頃……

「ハイ、どうぞ」

そう声を掛けてきた飛鳥ちゃんに手渡されたのは『茎わかめ』と書かれた袋だった。

飴と同じサイズの外袋の中に個々包装されたお菓子みたいな『茎わかめ』がたっぷりと入っている。

「あっ……ありがとう」

飛鳥ちゃんにお礼を言ってからピリリッと袋を破いて口の中に茎わかめを放り込み咀嚼を開始。

先ず『コリッコリッ』とした不思議な食感を堪能したところで、梅の香りと甘酸っぱさが口の中に広がる……なんとも癖になりそうな代物だ。

「飛鳥ちゃん『キクわかめ』って美味しいね、癖になりそうー」ニッコリ笑ってそう言ったら……

「良かったね……でもこれ『ク・キ・わかめ』だよ、おばちゃんみたいな言い間違えだね、こい……」二ヒヒと笑う飛鳥ちゃん。



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