絶対やせて貰います。
遼の顔を見ればハッとした驚きの表情から泣きそうな表情に変わるから
『何で?』って思った。
自分から先に言い出したくせに傷ついた表情をする遼が勝手過ぎて、許せなくて、嫌いになりたいのにそれも出来ない。
気が付けば足元に雨粒の様な水玉が幾つも模様を描きそこだけが天気雨みたいで可笑しいなって思ったら雨を降らせていたのは他でもない私自信。
荒々しく両手で拭っても拭っても大粒の涙か後から後から溢れ出す始末……
遼が泣きそうな顔に見えたのは、泣いてる私を見ていたからだった。
「カンナ……」
「近寄らないで……」
私の名前を呼び一歩だけ近付いた遼を強い口調で牽制する、泣き崩れてしまう前に一刻も早くここを立ち去ろう。
「もう、私の心配はしなくていいから……遼。今までありがとーバイバイ」
笑顔で言ったつもりだけど、泣き笑いの醜い顔だったに違いない。
呆然と立ち尽くしたままの遼を残して、私は全力でこの場から走り去った。