絶対やせて貰います。
「そっか『キクわかめ』だね?」
「そうそう『キクわかめ』って……おい!」
手の甲を私の額に軽く当てて笑いながら飛鳥ちゃんが乗りツッコミを入れてくる。
「相当ぼぉーとしてるけど大丈夫?」
先程とは打って変わり、心配そうに私の顔を窺い見ている。
元々が太り難い体質の飛鳥ちゃん
その上に日々バレー部での厳しい練習が飛鳥ちゃんの素敵な筋肉をつくり、その優秀な筋肉工場がフル稼働で脂肪を燃焼させているから幾ら食べても太らない筈だ。
日頃から飛鳥ちゃんは大きなおにぎり弁当以外にもよく間食をしていた。
菓子パンだったり、ファンの子が差し入れしてくれる手作りのお菓子をお昼前やお昼後に良く食べて居たのに、最近はダイエットを始めた私に気を遣って菓子類は食べなくなった飛鳥ちゃん。
「ファンの子たちに『私のマイブームは茎わかめ』って言ってあるの
これかも差し入れがあるはずだから……
こい一緒に『茎わかめ』食べようね」
にっこりと笑顔付きでそう言ってくれる飛鳥ちゃんは本当に優しい女の子なんです。
親友の心遣いに”ずきゅーん”とハートを打ち抜かれ、じんわりと涙が滲む。
「飛鳥ちゃ~ん」嬉しさのあまり名前を叫び抱き付こうとしたら……
「次の授業は体育だから早く移動しないとだね……こい行くよー」
思いきりかわされた。