絶対やせて貰います。

贅沢なため息


真夏のジリジリと照りつける日差しがいつの間にか穏やかなものに変わり、風も涼やかさを増してすっかり秋めいてきた10月

カンナちゃんから『ダイエット作戦』の指令が下ったのが高3に上がって直ぐだったから早いものでもう半年が過ぎた事になる。

ダイエットを始めたばかりの頃…

カンナちゃんの注意事項を守れずに体調を崩し貧血を起こして気を失った例の件で、大勢の人に迷惑を掛けた事が私の意識を変える切っ掛けになったのは間違えない。

それからは焦らずのんびりマイペースを保って一月に1kgから2kgの数位で確実に体重が減ってきている。

それ事態は嬉しいことなんだけど……

今度は制服のサイズが体に合わない問題が発生した。

だけどその件は『ノープロブレム』

その理由とは……

高1から高2にかけて日に日にに太ってサイズの合わなくなった制服をサイズ違いで結構な枚数保管していたからなの。

その殆どがあまり着る機会もないまま”タンスの肥やし”とかしていた新品のような制服たち。

かなり値段が張る制服を短いサイクルで何度も買い換えて散財させてしまい両親には申し訳ない気持ちだったから、”タンスの肥やし”だった制服に再び袖を通すことでほの少しだけ罪の意識から解放させられて嬉しかったりする。

でも変化したのは体型だけではなかった。



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