絶対やせて貰います。
スケッチブック
「そうだ……
あすかは教室に戻れそうにもないから外で待ち合わせる事になったけど……
こいは直ぐに出れそう?」
カンナちゃんの話しを聞きながら忘れ物があるのを思い出した。
「カンナちゃん……美術室に忘れ物したから取りに行ってもいい?」
「一緒に行こうか?」
カンナちゃんはそう言ってくれたけど……
「うん、一人で大丈夫。カンナちゃんと話したい人が大勢いそうだから……
最後にお相手してあげて」
「もういいよ……出来るだけ早く戻ってね」と送り出される。
カンナちゃんの言葉を受けて急ぎ足でピロティを通り抜ける、美術室は向かいの棟の3階にあった。
目的の場所に着いて引き戸の取っ手に手を掛けると『カラカラ』と音を立て横にスライドしたので安堵する。
「鍵が掛かってなくて良かったー」
独り言を呟きながら忘れてモノの捜索を開始する。
「あれ?確かここに置いた筈なんだけど……」
目的のモノは見つからずカンナちゃんをあまり待たせるのも悪くて、もう美術室を出ようかなと思っていたところに隣の準備室から物音が聞こえてきて驚きに
”ビクッ”と体が硬直する。