絶対やせて貰います。
「こ~い~迎えにきたよ~」
ゆる~い感じで私に声を掛けてきたのは……
高校に入って直ぐに『ある共通点』が切っ掛けで仲良くなった親友の一人
上杉カンナちゃん
誰でも知っている大きな会社の社長令嬢なのにとても気さくな人柄。
私より30cm近く高い長身でスタイルは抜群、そして美人とくればモテないはずもなく
日常繰り返される男子からの告白を
「私の見てくれにしか興味ない癖に…はぁー鬱陶しーい……」と一刀両断でバッサバッサと切り捨てる剣豪であり、外見と中身とのギャップが魅力的な女の子。
カンナちゃんの右腕を素早く掴み美術室の窓際まで強引に引っ張ってきた私はグラウンドに降臨したアポロンの様な彼を指差し興奮した面持ちで彼女に訊ねる。
「ねぇーカンナちゃんあの人知ってる?」
「どっ…どうしたのこい?」
いつもの私と違う様子に驚いてどもるカンナちゃん
でも私の指差した方向に視線を向けて瞬時に状況を把握してくれた。