絶対やせて貰います。

緊張しながらも伝えたかった思いを全て吐き出し脱力した私の耳に容赦なく入るツッコミで、漸く皆が何にあんなにも驚いたのかが分かり恥ずかしさの余り全身が真っ赤に熟れたトマトみたいになってしまった。

私の中ではもちろん『ダイエット』しか考えていなかったとしても言葉にしなければ伝わらないのは当然のことで、

どうして選りによって「小岩井君。私と……してください」だったのよー

「小岩井君。私と”踊って”ください」なら可愛いもんだ。

「小岩井君。私と”付き合って”ください」と勘違いされるならまだマシだった。

「小岩井君。私としてください」何を?ナニヲ……

『ぎゃあああーーーもうイヤ。

破廉恥な娘だと思われたんだ……私。

脱兎の如くこの場を直ちに逃げ出したい。

それよりも今すぐ透明人間にして欲しい。

……神様お願いします』

目を瞑って現実逃避をしてみても透明人間にもなれず、素早く逃げ出す機会も逸した唯の錦野鯉子が呆然と立ち尽くしていた。