絶対やせて貰います。

「図々しいとは思うんですけど大事なことなので……

小岩井君に彼女が居たら知らない女が家に出入りするのは
面白くないかも知れないけど。

今は彼女をつくるつもりはないって言ってたから……」

ちょっと言い訳っぽかったかな?

「まだ時間早いし早速小岩井の家に行っておいでよ。

決断したら一日でも早い方がいいから……」

『えっー今からお宅訪問ですか?

迷いなくパッパと決断してしまうカンナちゃんを尊敬しているけど

心の準備もさせてくれないのー?』

さすがに今日だけはちょっと恨めしい……

「夢中になれる事があれば嫌な事を思い出す時間も無くなるから、こいには
タイミングが良かったのよ」

「カンナちゃん……」

恨めしいなんて思ってごめんなさい。

私、一生カンナちゃんには頭上がんないかも……

「私とあすかはこの男たちに説教しておくから二人は早く行きなよ」

半ば無理やりに居酒屋から追い出された小岩井君と私。

ダイエットを始める小岩井君に協力要請のため家族に状況説明へと向かう
私たち。

二人っきりで会話をするのは2年半振りで、彼との接点など殆どない私が、
彼の家へ家族に会いに行くと言うのが何とも非現実的で可笑しくなってくる。

笑っている私を不思議そうな顔で見ている小岩井君。

少しだけアルコールの力も借りて頑張ってみよう。

錦野鯉子……いざ出陣!


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