カ ク レ オ ニ
二時間目
…林先生来なかったじゃん。
ふと思ったのはそれだった。あまりにも非現実的すぎて脳が受け付けてくれない。
辺りを見回すと、みんな真っ青というか本当既に死んでるんじゃない?って顔だった。
女子には泣き出す子もいるわけで。
ふと何かが聞こえたのでそっちを見ると、
「嫌…っ、嫌、嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌いやぁぁぁぁああ!!!!!!!!!!!!!!!」
そう言ってあみが叫んで飛び出していった。
あーあ…狂っちゃうよなぁ、そりゃ。
でもまぁ、この状況で一番おかしいのは自分だってそれくらい自覚あるけど。
「みんな!!とりあえず落ち着いて自分の席に座れ。深野は戻ってくるはずだ」
流石学級委員の秋斗。
こういう時のリーダーシップ力は尊敬するよ。
ただ、秋斗自身、震えているけど。
みんなは秋斗に従ってゆっくり自分の席へ戻る。
私は学校で禁止されているスマホをいじる。
「あ」
思わず漏れた言葉。
流石にこの静かさで言葉を発したら聞こえるか。みんなが一斉に見てきた。
何か怖い。
「美亜…なんでお前、携帯いじってんだよ」
田中がそこに突っ込んでくる。
正直言って今はどうでもいい。
「んや、本当にこれ逃げられねーんだなって。」
みんなの顔が緊張や不安、焦り、恐怖の色に染まっていく。
私がそういったのには理由があった。
情報を見つけた。二つほど。
「ひとつ目。林先生は教室に来る途中階段から落下し、来れなかった」
その瞬間どよめきが広がった。
「二つ目。これは関連性があるかわからないけど、『とある中学の1クラスの全員が消えた。黒板には生徒一人一人の名前が書かれており、そのしたには【みーつっけた】と血らしきもので書かれていた』…ほら、ね」
【カクレオニ】で調べたら出るもんだね。
もうみんな倒れそうだった。