カ ク レ オ ニ


チャイムが…鳴った。
みんなが息をのみ、静まり返る。

一刻、また一刻と時間が過ぎていく。
最初の方は緊張の顔でそれこそ死にそうだったけど、だんだん馬鹿らしくなったらしい。

ちなみに私はその間、机に伏せて寝ようとしてた。

ふいに本間君が

「なんだ、何にもおこんねーじゃん」

といってみんなが笑おうとした時。

『ザッ…ザザッ、ザザザッ…ザーーーーーッ』

スピーカーからノイズ。

みんなが一斉にスピーカーを見た。


『まちませう まちませう ゆふぐれせまる くさばやし すうじ かぞえて まちませう まなこ ひらけば まっかなおみずが たれおちる
いわかげにかげふたつ 
こかげにかげひとつ
まなこひらいて みたならば おいかけませう おいかけませう またない にんぎょう おいかけませう
おには にんぎょう おいかけませう つかまえ にげなくなったなら こうかんしませう それがさだめ
また まちませう まちませう おいかけませう こうかんしませう
にんぎょう せいが ほしけりゃ
にんぎょう りょうまなこ てにしたなら
おには こかげ と かくろうと』

童謡…だったけか、そんな感じで歌われるこの曲。
気持ち悪い。悪寒がする。




これが、悪夢の始まりだった。
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