君のとなりで
それは颯に抱きしめられてるからだってことに気がついたのは数秒後。

「そっ、颯!?」

こんないっぱい人がいるところでっ…!みんながみてるよー!

「だったら自分の気持ちおさえんな。てゆうか、16年幼なじみやってきた俺に今さら遠慮なんかすんなよ。」

颯の言葉に涙がじわっと滲んできた。まわりのキラキラしたイルミネーションがぼやけてみえる。

「うん…ごめんね、ありがとう…」

颯はあたしの頭を撫でて腕を離した。

顔をあげると色とりどりのイルミネーションが輝く大きなクリスマスツリー。

颯と見られて本当に幸せだ。

「ねえねえ、ここのツリーに二人の名前を書いた星の飾り吊るすとずっと一緒にいれるらしいよ!」

後ろにいたカップルから聞こえたそんな会話。

「ほら、あそこに星売ってる!」
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