君のとなりで
「おはよ、実結。」

「おはよう!」

朝から爽やかなオーラが満載の疾風君、きっと朝からきっちり起きれてご飯もしっかり食べてきたんだろうな。

「実結さ、来週のバレンタイン誰かにチョコあげんの?」

疾風君が何気なく口にした一言。バレンタイン、バレンタイン!!!

そうだよ!来週はバレンタインという恋人には欠かせない重大イベントがあるじゃないの!!

「実結?」

あ!いけない、また妄想の世界に浸っちゃったよ。

「うーん…でもあたし、お菓子とか作るの得意じゃないんだよね。」

颯と付き合う前は真結ちゃんが作る聖君へのチョコのおこぼれを自分と颯にあげてたっけ。あれ?じゃあ去年は…

あっ!そうだっ!インフルエンザにかかってバレンタインどころじゃなかったんだ!

「でもあげるんだろ?誰にあげんの?」

えっ…そんなこと恥ずかしくて言えないよ…

「誰?」

わっ…!近い!颯以外の男の子に慣れていないあたしは顔が熱くなる。

ええい、もういっちゃおう!疾風君なら大丈夫だよね!

「な、中原颯君、です…」

きゃーっ!きゃーっ!言っちゃったよ!早紀ちゃんや真結ちゃんにはあたしから言ってないのになぜだかバレてたから自分から颯と付き合ってることをいったのは疾風君が初めて。
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