君のとなりで
そしてその日の放課後、早紀ちゃんとチョコの材料を買って早紀ちゃんの家へ。

「だからー!チョコを溶かすときちゃんと見とかなきゃチョコが焦げちゃうでしょ!」

「あー!実結!ラム酒の前に生クリームを入れるの!その後バターを湯煎して!」

「ほらっ、もっときれいな丸にしなきゃ!実結の、岩みたいになってるよ!」

チョコを手作りしてみてわかったこと、あたしはお菓子作りが苦手、それもかなりの苦手だということ。

そして早紀ちゃんはかなりのスパルタだってこと。

そんな早紀ちゃんのきびしーい指導のもとなんとか出来上がったトリュフらしきもの。

「はー…疲れた。」

椅子の上でぐったりしてる早紀ちゃん。

「ねー、ひとつ食べてみてもいい?」

「うん。」

一粒つまんで口に投げ入れる。

う…これは…お世辞にもおいしいと言えないチョコ。人に食べさせれるようなものじゃない。

「早紀ちゃーん!一週間特訓よろしくお願いします!」

「あたしはスパルタだからね!しっかりついて来なさいよ!」

こうしてあたしの猛特訓は幕を開けたのでした…。
< 114 / 612 >

この作品をシェア

pagetop