君のとなりで
なんのことだろうと思いながら古文の活用テストのために早めに着替えて部室を出ると体育館の入り口に三人ほどの女子。

今日の朝は男子バスケだけが朝練に体育館を使用してたはずだけど。

不思議に思いながらその間をすり抜けようとすると、そのうちの一人に腕を捕まれる。

「な、中原君!これ!もらって!」

そういうと押し付けるようにして赤色のリボンがついた箱を俺に渡すとバタバタと走っていった。

「颯~モテモテだなぁ?実結ちゃんが妬くぞ?」

いつのまにか背後にいた昂。

「あいつは妬いたりなんかしねえよ。多分。」

まぁ実結に妬かれるのはそんなに嫌な気分にならないけど。むしろ妬かせてみたいくらいだ。

一生涯なさそうだけど。

そういえば先週から実結と話してない。ケンカとかではなく。

俺は練習試合が近いから朝練以外の日も自主練習をするために早く学校に来てるし、放課後はなぜか実結は最近毎日山下の家に行ってるらしい。
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