君のとなりで
心のなかではこんなにもいつも好きだって、思ってんだ。

言葉にしないと思いは伝わらないけど。

これからどうするんだ?とりあえず、実結と話したい。

実結の家に行こう。

そう思い、手すりから離れると、ガチャリと扉が開くおとがして、見慣れた、小さなシルエット。

「実結…」

実結も驚いたのか目を丸くさせて俺を見つめている。

「颯…なんか、久しぶりだね。」

そういえばいつだったか実結が言っていた。

「あたしね、屋上が一番好き。嫌なこととか、もやもやしてることがあったら屋上から星空を眺めたら忘れちゃうの。悩んでることがちっちゃいことに思えてくるんだ。」

その時俺も全く同じだから、驚いたんだっけ。
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