君のとなりで

あーちゃん、猛アタック! side実結

ついに颯が寝込んだまま迎えた春休み。

なかなか風邪がよくならなくって、きっと疲れがたまっていたんだと思う。

毎日昂君から頼まれたプリントやノートのコピーは持っていってるけど、うつしたら悪いって颯が言いはるらしく、玄関まで。

颯…会いたいよ…

メールも届かない携帯を握りしめて部屋でぼーっとしていると…

ピンポーン♪

チャイムが鳴った。

誰だろ?お母さんは今買いものに行ってるし、真結ちゃんは大学だ。

あたしは重い腰を持ち上げると玄関に出ていった。

「実結?」

インターホンから聞こえてきたのは、会いたくて会いたくてたまらなかったひとの声。

ちょっと会えなかっただけなのに、すごく懐かしくて、涙が出そうになっちゃう。

「颯!もういいの?」

がちゃっとドアを開けると、そこには正真正銘の相変わらずかっこいい颯がいた。

「うん。今から成績表とかもらいに行くんだけど…最近会ってなかったし…その…」

うつむきながら言う颯。

「あたしも行く!待って!今から制服に着替えるね!」
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