君のとなりで
次の日の夕方、あたしはすでに緊張していた。

何て言えばいいの?

あたし、どうすればいいのかな…

こういう日に限って、時間はどんどん早く進んでいく気がする。

「あれ?実結、今からどっか行くの?」

毎週真結ちゃんと楽しみにしてるドラマの時間になって、あたしが出掛けるから不振がられちゃったかな…

なんとかごまかして、屋上に急いだ。

少し重い扉を開けると、壁に寄りかかって空を見上げてるあおくんがいた。

足音に気がついたのか、笑ってこっちに駆け寄ってくる。

そんなあおくんの笑顔を見るだけで、胸がぎゅっと鷲掴みにされるような感覚に襲われる。

「みゅー、来てくれてありがとう。」

「あおくん、あたし…あたしね、あおくんのこと、大好きだよ。」

いってるそばから涙が溢れて、上手く言えない。でも、ちゃんと言わなきゃ。

「でもね、颯が好きなの。颯以外の人、考えられないくらい、颯が好きなの。颯はあたしにとって特別なの。」


こんなあたしを好きになってくれたあおくん、こんなあたしをずっと思ってくれていたあおくん。

「だからっ…ごめんなさい…」

「泣かないで、みゅー。」

優しくあたしの髪の毛を撫でてくれる。

そしてあたしをぎゅっと抱き寄せた。

「5分だけ、こうさせて?」

あおくん…

「みゅー、ありがとう。ごめんな?」

あたしはあおくんの言葉に首をふった。


「こんなあたしのこと、好きになってくれてありがとう。本当にありがとう。」


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