君のとなりで
「ほらー、実結、泣かないで?またすぐ帰ってくるから!」

昨日あおくんと約束したばかりなのに、あたしは空港の入口でまた泣いていた。

「っ…うん!絶対だよ!」

「みゅー、颯、またな。あ、颯、ちょっと。」

あおくんが颯の耳元で何かいったみたい。

颯は目を丸くしてあたしの方を見た。

え?なに?

「実結!実結!」

あーちゃんがあたしの手を引っ張って、口を耳に近づけた。

「颯ね、実結のことすっげー好きだからどう接したらいいかわかんないんだって!実結からキスでもしちゃいな!ね!」

あ、あたしからキス!?

あーちゃん!何を言い出すのかと思ったら!

「じゃーね!実結、颯!バイバイ!」

「みゅー、颯、ありがとな!」

そして二人は手をふりながらゲートの向こうに行っちゃった。

ほんとに行っちゃったんだね。

やっぱりすごく寂しいよ…

涙は止まらない。

すると急に颯の手があたしの手をぎゅっと繋いできた。

「そ、颯!?」
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