君のとなりで
二人とも黙ったまま、この沈黙をどうにかしなきゃ!

「あの、」

「実結、これ。」

口を開いたの瞬間、あたしの手の中に何かを押し入れた。

何?

そっと手のひらを開いてみると、そこには小さなラッピングされた袋。

「これ…」

「誕生日プレゼント。遅くなったけど。」

誕生日プレゼント!?そういえばあたしの誕生日、颯は寝込んでたから会えなかったんだっけ。

プレゼント用意してくれてたなんて嬉しすぎるよ!

「ありがとう!開けていい?」

「だめっていっても開けるんだろ、クリスマスのときみたいに。」

早速丁寧に袋を開けると、中から小さな花のモチーフのヘアピンが出てきた。

「かわいい!颯、ほんとにありがとう!」

また嬉しくて涙腺が緩む。

「実結、なんか今まで避けててごめん。」

え?避けてて、って最近すごくそっけなかったこと?

「俺、ほんとはお前のことすげえ大事で、大切にしたくて、でもキスしたときから自分に歯止めが効かなくなりそうで。」

颯の言葉に胸がぎゅっとなる。

そうだったんだ…

あたしはなんだか堪らなく颯が好きって感情が溢れてきて、思わず颯に自分から抱きついていた。

「み、実結…?」

「颯…大好き。」

こんな言葉じゃ表せないほど颯が好きなの。
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