君のとなりで
好きで、大好きで、伝えたいのに、どう言い表しても伝えきれないくらい好き。

「実結、顔あげて。」

顔をあげると、颯が真剣な顔でじっと見つめてくる。

「な、なに…?」

「ほっぺにご飯粒ついてる。」

ええっ!?嘘!この期に及んでなんて恥!

あわててほっぺたを触る。

「どこー?…んっ!」

急に腕を捕まれたかと思うと、颯が顔を近づけて、あたしのまぬけに開いた口を塞がれていた。

びっくりして目を見開いて硬直してると、いつの間にか離されていた唇。

少し残る熱い熱と、目の前の颯の赤い顔が、今キスされたってことを証明していて。

「さて、帰るか。」

何もなかったようにベンチから立ち上がる颯。

呆然と颯を見つめるあたし。

ちょっ!ちょっと!さて、じゃない!

「颯!今…!」

「ん、なんかしたくなった。嫌だった?」

嫌だったって…そんなわけないでしょ!

むしろ、むしろ…嬉しい、なんて。

「急にするから心の準備が!」

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