君のとなりで
百本の説明をして男子から四人パス回しを決めると、俺は適当なグループに入ってパスを回し出した。


やっぱり一年ははずす率が高い。

もっとシュートは強化したほうがいいかもな…

そんななか、見事に俺のパスを受け取り、大胆にシュートを決めた一年生がいた。

女子バスケ部の一年生。

確かこの前、朝練に行ったら俺の後にきて練習してたやつだ。

背も高いし、パワーもあるっぽい。

今年は女子も強くなるな…


「お疲れさまでした!!」

部活動終了時刻になり、みんなが部室に入っていく。

男子バスケ部全員が着替えるこの部室は人口密度が高く、まだ春と言えど暑くて仕方ない。

「あっちーなー!」

昂がバタバタとシャツを仰ぐ。

「これからもっと暑くなんのに、そんなんでバテてどうすんだよ。」

そんな会話をしていると後輩たちが部室に入ってきた。

「昂先輩、見かけによらず体力ないんすか?」

一年の中でも、ずっとバスケをしていて上手い高山啓太が鼻で笑った。

「はあ?なんだと、あるに決まってんだろ!見ろ!この筋肉を!」

後輩相手にむきになる昂が笑える。
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