君のとなりで
といっても真結ちゃんはいつもすごくおしゃれ。

特別高い服やブランドものを着てるわけではないのに組み合わせが上手で、自分にあった格好をしてる。

あたしも早紀ちゃんや真結ちゃんと服を買いにいくけど、だいたい二人がこれ似合うよ!っていってくれた服だから。

でもでも!せっかくのデートなんだから可愛くしていきたい!

颯は普段のあたしなんて見慣れてるだろうけど、でもかわいいって少しでも思ってほしい。

「ただいまー。」

ガチャっとリビングの扉が開いて、真結ちゃんが入ってきた。

「あら?今日は聖君と映画に行くんじゃなかったの?」

お母さんが聞くと、真結ちゃんはテーブルの上にあったサラダのトマトをつまみながらため息をついた。

「聖のやつ、今日までのレポート終わってないのに映画行こうなんて言ってきたのよ。だからレポート書けるまでデートしてやんないのとにしたの。」

ひえぇ…真結ちゃん、厳しい!

でも聖君には悪いけど、今回は感謝かも!

だって今日は木曜日、デートは日曜日だもん!

真結ちゃんは金曜日はサークルで、土曜日は家庭教師のアルバイト。

だから今日しかゆっくり服なんて見てもらえない!

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