君のとなりで

日曜日 side颯

日曜日の朝、いつもならまだベッドのなかでだらだらしている時間なのに、今日はなんとなく早く目が覚めてしまった。

昨日はあまり眠れなかったのに、目が早く覚めるなんて、もしかして俺、緊張してんのか?

いやいや、だって実結と二人で出かけるだけだ。

そんなこと、小さいころから数えきれないほどあったのに。

考えてみれば、あのクリスマスのイルミネーションを見に行ったきり、二人で出かけてはいない。

あー…ダサい。

「颯!今日実結とデートなんだろ?」

洗面所で顔を洗ってると兄貴がにやつきながら入ってきた。

「別に。そんなんじゃないし。二人で出かけるだけ。」

「ばーか、それをデートって言うんだろ?いいなー、俺も真結とデートしたい。」

鏡越しに兄貴のアホ面を見ながらため息をつく。

なんでこいつがしってんだよ…

うん、多分実結→真結ちゃん→兄貴だろうな。

「すればいいじゃん。」

いつもしてるように見えるけど?

「それがさ!木曜日、映画いく予定だったんだよ。なのに俺のレポート終わってないの真結にバレて、提出するまでデートなしとか言うんだよ。あいつまじ鬼。」

俺は真結ちゃんが正しいと思う。

逆に感謝しろよ。待っててくれる彼女なんてなかなかいねえぞ?
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