君のとなりで
「あっ、中原先輩来ちゃった。じゃあまたね、実結先輩!」

そう言うと、さっさと図書室を出ていっちゃった。

何だったんだろう…変な人。

あたし、からかわれてるのかな?

「おい、ボーッとしてんなよ。」

軽く頭を小突かれて、はっとわれにかえる。

「うわっ!いつのまに!」

「人をオバケみたいに言いやがって…まあいいや。帰るぞ。」

すでに扉の前にいる颯に急いで本を戻してついていく。

「あっ!そうだ!あたし身長伸びてたよ!二ミリ!」

これは大事件!

報告しなきゃね!

「二ミリ?…ふっ…」

吹き出す颯。

「なによーもう!颯はどうなの?」

「俺?変わってない。」

良かった…これ以上身長差ついたらほんとに彼女に見えなくなっちゃうもん。

いや、すでにこの間のデートのとき、妹って言われたな。

あのときはほんとにショックだった。

「でもまだちょっと伸びてほしいんだよな。」

えー!もういいよ!

「それ以上伸びてどうするの?」

もう十分でしょ?
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