君のとなりで
そんなわけで、よくわからないまま協力することになった俺はとりあえずチケットを実結に託し、何とか山下との約束にこぎ着けることに成功。

昂に報告すると、飛び上がらんばかりに喜んだ。

たくっ…どっちが幼稚園児だっての!

実結は実結でなんか盛り上がっちゃってるし…

それで今に至る。

何やらまたノートに書き込んで、一人でぶつぶつ言ってる。

ちなみに最初やってた数学の宿題は完全放置。

ほんとに山下が好きなんだな…

俺も昂が山下とうまくいけばそれはそれで良いとは思うけど。

「なあ、もう10時だし明日寝坊しないように今日は解散にしない?」

「うん、そうだね。じゃあ明日ね。」

そう言って立ち上がる実結。

他人の恋愛に夢中になるのもいいけど。

仮にも付き合ってる男の部屋に、こんな夜遅くまで平気でいるのもどうかと思うよ?

本人まったく気にしてねえけど。

「送る。」

そう言って立ち上がる。
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