君のとなりで
「大丈夫だよー。隣だもん。」

そういうことじゃなくて、何て言うか、俺が送りたいって言うか…

あー…女々しくて情けない。

やっぱり人の恋愛事に口出しする間もなく、まずは自分のことかもな。

「じゃあ玄関まで。」

そしてまた遠慮しようとする実結をおさえて玄関に送った。

「じゃあね、おやすみ!」

「うん、おやすみ。明日遅れんなよ。」

「はーい!ありがとうね。」

実結が自分の家の玄関に入ったのを確認して、ドアを閉める。

部屋に戻ると、机の上に実結の『作戦ノート』やらが置かれていた。

あいつ、忘れてかえってんじゃねえよ。

とりあえず、再び玄関に行き、隣のチャイムを鳴らす。

「はーい、ってあれ?颯!どうしたの?」

出てきたのは真結ちゃん。風呂上がりなのか、パジャマらしき格好。

そんな姿でも、かわいいのはやっぱりここの家系の遺伝子だろうな…

「これ、実結の忘れ物。渡しといて。」

中見られたらヤバイか?

まあ、いいか。

「いいの?呼ぼっか?あ、今あの子お風呂だった!」

「えっ…?あ、や、いい!」

慌ててドアをバタンと閉める。

絶対からかわれた…


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