君のとなりで
次の日の朝、実結と家の前で待ち合わせして、山下たちとの集合場所の駅に向かう。

真結ちゃんが渡してくれたらしい。

あの『作戦ノート』をカバンにしまいながら、俺に最終確認事項とやらを説明してくる。

それを軽く聞き流しつつ、駅に到着するとすでに山下がベンチに座っていた。

あれ?

なんか今日、いつもと雰囲気が違うような…

「早紀ちゃん!お待たせー!」

早速山下に走りよっていく実結。

「実結、颯君、おはよ。」

ご機嫌な実結とは反対に、山下は不機嫌そう。

そして俺のそばまでつかつかとやって来ると、耳元で囁いた。

「実結とデートなら二人でしなさいよね、ほんとに空気読めないんだから。」

…っておい!

なんで俺がそんなこと言われなきゃなんねえんだよ!

こっちはお前と昂のために協力してんのに。

いや、昂のためか。

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