君のとなりで
「あたし…追いかけてくる!」

走り出そうとした実結。

その手をつかむ。

「えっ…離して!」

「これは俺達の問題じゃない、昂と山下と高見先輩の問題なんだ。」

ゆっくり二人のほうをみやると、すでに昂の姿はない。

「あとは、昂に任せよう。あいつ、多分やるときはやるから。」

「でも…」

「昂を信じて。」

あいつはこんなとこで諦めるようなやつじゃない。

あいつの一途さは俺にも負けない。

「…うん、わかった。」

実結はまっすぐ俺を見て頷いた。

そして、この日はとりあえず俺達は家に帰り、昂からの連絡もなかった。


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