君のとなりで
クリスマスの時もそうだったけど、一度決めたら最後までやりとげる。

ふわふわした外見に似合わず、意外にかなり、芯がしっかりしてるんだよな。

そういうとこが、俺は…っ…やめとこう。

なんか今日、俺変だ。

「あんま無理すんなよ?またぶっ倒れたら元も子もないんだから。」

「大丈夫だよ!颯の誕生日プレゼントだもん!それに受験勉強にもなって一石二鳥だし、ありがと!」

あー…もう限界。なんでこいつはこんなにかわいいことばっかり言うの?

気がつけば、実結の小さな手を握っていた。

ここはマンションのエントランスの前、誰かに見られる可能性もあるのに。

目の前にはキョトンとした表情の実結。

人目の少ない駐車場の方に手を引いて、連れていく。

ダメだ、もう止まらない。

「そ、颯…?」

足を止めると、振り替えって実結の華奢な肩に手をおいた。

少しずつ、顔を近づけていく。

心臓の音、聞こえてるよ絶対。

…やっぱり、今日はだめだ。

俺が緊張して、できない。
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